特集 家族計画
我国における家族計画の現況
潮田 清
1
1厚生省公衆衛生局企画課
pp.10-12
発行日 1959年5月1日
Published Date 1959/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611201673
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
1.受胎調節の知識
日本の家族計画運動は昨今ようやく地についてきて,その成果は急速に進歩してきている.家族計画を達成する手段として受胎調節という技術があるが,意識的な出産調節は可能だということを知つている人達は多く,また単なる言葉の知識程度ではなく,実際的な,くわしい説明を受けたいと要望する声がお母さん方の間に真剣に話し合いされている.これらの傾向を数的に表わした裏付け資料として,昭和32年度厚生科学研究費によつて日本家族計画連盟会長古屋博士が主任研究者となり,国立公衆衛生人口学部久保博士他数人の研究者が7県65調査地区について実態調査を行つた結果が報告書の中に示されている.本調査は全国調査ではなく,パイロツト調査として行われたものではあるが,最近の実態調査として,調査対象が国勢調査による全国傾向とほぼ一致しているところから,調査結果についても大体全国的傾向と見做して間違いなく,我国における最近の家族計画の現況を把握しているものと思われる.
本調査による受胎調節の知識,話を聞いたことがある,なしの市町村別区分は第1表のようになつている.
Copyright © 1959, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.