臨床経験
重度身障リウマチ患者に対する外科的治療
吉野 槇一
1
,
小坂 弘道
1
,
内田 詔爾
1
Shinichi YOSHINO
1
1都立墨東病院リウマチ科
pp.609-612
発行日 1977年6月25日
Published Date 1977/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905544
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はじめに
慢性関節リウマチ(RA)に患り,歩行困難または歩行不可能といつた重度身障リウマチになるには,大別して3つの原因がある.その第1は荷重関節に破壊が生じ,変形または疼痛が起きた場合,第2はRAの活動性が高く,荷重関節を含めて全身の関節に疼痛などが起きた場合,そして第3は第1と第2の原因が同時に起きた場合である.なお,これら原因は適切な治療がなされていないとか,また,適切な治療がなされていても,RAの活動性が満足にコントロールできない場合に生じ易い.
RAで荷重関節である股関節ならびに膝関節に破壊が起き,歩行困難になり,屋内しか歩行できないとか,または全く歩行不可能となり,寝たきりになつたこれら重度身障リウマチ患者に対して,人工関節を用いて関節形成術を行なつたところ好成績を得たので,術後最低一年以上経つている26症例について術後成績ならびに関節形成術,特に人工関節の間題点などを中心に述べてみたい.
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