特集 身体障害者の地域ケア
身障者の在宅生活問題と行政への対応—リウマチ患者の事例を通して
宮本 二葉
1
Futaba MIYAMOTO
1
1リウマチ友の会東京支部
pp.641-645
発行日 1980年9月15日
Published Date 1980/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401206153
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■はじめに
慢性関節リウマチは,結婚,出産,育児と家庭の中心的存在で,かつ社会においても活動的立場にある20〜30歳代の家庭の主婦に多く,その数は男子の約4倍であり,結核患者より多い昨今,正しい治療を受けている人がいったいどれだけいるだろうか.私たちは,早期発見,早期診断,早期治療によって重症にしないために,リウマチのこわさを機会のある限り訴え続けている.
全国に40万とも50万ともいわれている患者数のほとんどが在宅療養で,慢性・急性に進行する病状と,また病気であるために起こる二次障害,社会的・経済的・環境的困難とたたかいながら,患者自身のこの病気に対する正しい理解とそれに基づく強い忍耐と心構え,家族の努力,支えによって生命が維持されているのが実情である.中には,専門的医療,看護さえ受けられず,病名もわからないまま病院を転々として不安のまま経過しているケースも数多く,また病院を"ハシゴ"しているうちに医者不信になって,経済的な問題もからんで放置され,寝たきりになっている人もある.
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