特集 "共に生きる"を実践して
ボランティア保健婦の大きな足跡
愛知県刈谷地区での障害児と保健婦
"障害児を守る会"の活動によせて
身障者への人間讃歌を
川口 正孝
pp.343-344
発行日 1982年5月10日
Published Date 1982/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206512
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松山善三監督作品,辻典子主演による映画,"典子は今"を見る機会を得た。何年ぶりかで映画館に入ったとき,私の心にわずかな悔いがあった。久しぶりに入った映画館のスクリーンに写し出されるであろう画面に,どうしても私の心は昔の西部劇か時代劇に類した,娯楽活劇を求めていた。せっかく何年ぶりかに入った映画館だから,もっと気楽な娯楽作品を選ぶべきであったと考えていた。しかし終わって出た時は,全くその考えは打ち消されていた。
1人のサリドマイド児が,不運と障害に対して敢然と立ち向い,そこに人間としての真の"勇気",真の"努力"の何たるかを,終始感激と感動の中で知らされた人間讃歌であった。まさしく身障者への"哀歌"でなく,人間への"讃歌"であった。
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