臨床経験
慢性関節リウマチ100症例に対するD-ペニシラミンの臨床成績
吉野 槇一
1
,
小坂 弘道
1
,
島田 畯介
1
,
内田 詔爾
1
Shinichi YOSHINO
1
1都立墨東病院リウマチ科
pp.863-868
発行日 1976年9月25日
Published Date 1976/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905407
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はじめに
Wilson病,重金属中毒,シスチン尿症またはシスチン結石の治療に応用されているD-ペニシラミン(D-P.)にマクログロブリン解離作用があることがわかり,マクログロブリン血症,溶血性貧血にも用いられるようになつた.特にこれら疾患で血中のマクログロブリンが減少するという事実にJaffe(1965)が注目し,初めて慢性関節リウマチ(RA)の治療薬として使用した1).その後,D-P.に関する基礎的,臨床的研究が数多く発表され,特にRAに対する高い治療効果は世界的に注目されるようになつた.
しかし,D-P.の副作用は決して少なくなく重篤な副作用も数少ないが報告されている.今回著者らはRA患者100症例にD-P.(商品名:メタルカプターゼ)を投与したので,その臨床効果,副作用,各検査値の推移などを文献的考案を併せて述べてみたい.
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