臨床経験
D-ペニシラミン投与中に腎障害を呈したいわゆる悪性関節リウマチの2症例
内田 詔爾
1
,
小坂 弘道
1
,
島田 畯介
1
,
吉野 槇一
1
Shoji UCHIDA
1
1墨東病院リウマチ科
pp.81-86
発行日 1978年1月25日
Published Date 1978/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905655
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はじめに
ペニシラミンはマクログロブリン解離作用を有し,慢性関節リウマチ(RA)においてリウマトイド因子活性値を低減させる1,2)ことから,RAの治療に使用されはじめ3),さらに悪性関節リウマチ(Malignant Rheumatoid Arthritis:MRA)に対しての効果が期待されている。著者らはすでに"慢性関節リウマチ100症例に対するD-ペニシラミンの臨床成績"を報告4)し,D-ペニシラミンは画期的な抗リウマチ剤であるが,副作用も少なくないことを述べた.今回,MRA患者にD-ペニシラミンを投与していたところ,腎障害を呈した2症例に遭遇したので若干の考案を加えて報告する.なお本文中のMRAは厚生省診断基準5)により判定し,definite MRAを意味するものとする.
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