臨床経験
腱黄色腫について
陳 義龍
1
,
松井 宣夫
1
,
藤塚 光慶
1
Giryu CHIN
1
1千葉大学医学部整形外科学教室
pp.869-878
発行日 1976年9月25日
Published Date 1976/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905408
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緒言
運動器官を扱う整形外科医が最初に腱に起こる腫瘤を見る機会が多い.腱黄色腫は腱に現われた高脂血症による腫瘤である.この疾患は稀であるが,その背後に重大な家族性心血管系障害があり,また1967年,Fredrickson以来,血漿リポ蛋白の分析法が導入され,いわゆるphenotypeによる分類から,腱黄色腫は高β-リポ蛋白血症の現われであることが分り,ほとんどが家族性Type IIであることが明らかになつた.本疾患の発生機序については,今だに推測の域を出ていないが,臨床の面から,本邦文献上収集し得た50例中,記載明確である36例を表にまとめて検討し,われわれが経験した2例を付け加えて報告すると同時に,その本態について,今までの知見をまとめてみる.
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