論述
頸椎症性脊髄症の病理組織学的研究
小田 義明
1
,
小野 啓郎
2
,
大田 寛
2
,
多田 浩一
2
Yoshiaki ODA
1
1行岡病院整形外科
2大阪大学医学部整形外科学教室
pp.389-401
発行日 1976年5月25日
Published Date 1976/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905344
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はじめに
Cervical spondylotic myelopathy(以下C. S. M.と略す)の成因に関しては従来諸説があり,いまだ不詳の点が多い.頸椎骨軟骨症(3例),後縦靱帯骨化症(2例),および脊髄腫瘍(原発性3例,転移性10例)にともなうミエロパチー計18症例の剖検例をもとにC. S. M.の成因を追求する.そのために,1.C. S. M.の成因に関する従来の諸説をふりかえつてみる.2.C. S. M.後縦靱帯骨化症によるミエロパチーの組織学的特色をあきらかにする.3.Cord involvementという広い視野より脊髄腫瘍によつてひきおこされる脊髄病変を素直に観察し,各種障害因子による組織像の相違,特性についてしらべる.4.従来われわれがおこなつてきた実験的ミエロパチーの結果とあわせてみる.5.系統発生学的見地より脊髄血管,神経路の発達およびその特性を考察する.以上の諸点を柱に比較検討し,C. S. M.のpathogenesis解明の手がかりとする.
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