論述
Entrapment neuropathyについて
上平 用
1
,
山崎 堯二
1
,
瀬谷 斉
2
Mochiru KAMIHIRA
1
1鳥取大学医学部整形外科学教室
2鳥取県立中央病院整形外科
pp.402-410
発行日 1976年5月25日
Published Date 1976/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905346
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
末梢神経が線維性・骨性のトンネル構成部を通過する部位にて,何らかの原因によつて圧迫されたり締めつけられた結果,運動・知覚あるいは血管運動神経が障害されたものに対し,entrapment neuropathyという名称が,Thompson and Kopell(1959)によつて名づけられた.したがつて,数多くの末梢神経にentrapment neuropathyは発生しうるが,上肢においてはcubital-tunnel syndromeとcarpal-tunnel syndromeが,下肢においてはtarsal-tunnel syndrome(Keck 1962)が代表的であることは周知のとおりである.
現在,carpal-tunnel syndromeと呼ばれる手関節部の正中神経障害についても,古くから記載(Paget 1854,Marie and Foix 1913,いずれも文献13より)されているが,Phalen(1966)は654手にのぼる多数例について報告している.
Copyright © 1976, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.