論述
股関節内圧
田中 清介
1
,
大西 紀夫
1
,
富永 芳徳
1
,
上尾 豊二
1
,
伊藤 鉄夫
1
Seisuke TANAKA
1
1京都大学医学部整形外科学教室
pp.114-120
発行日 1976年2月25日
Published Date 1976/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905309
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関節腔内には圧力が存在し,これが関節運動により変動することは本邦でも島田(1934)11),浦山(1956)18)らをはじめとして古くから研究されており,その後Caughey(1963)1),Eyring(1964)2),Soto-Hall(1964)13),Reeves(1966),伊藤(1967)3),Jayson(1970)4)らによつても報告されている.しかし,これらの報告は主として膝関節についてなされたものであるが,その中でも,股関節についてなされたSoto-Hallの研究は関節内圧の上昇によつてretinacular vesselが閉鎖され,大腿骨頭壊死を来たすことを示唆した14).また,Tachdjianは実験的に関節内圧の上昇によつて大腿骨骨頭壊死を惹起させてSato-Hallの推定の可能性を証明し,関節内圧に1つの意義を見出した15).これらEyringやSoto-Hallの研究は液圧マノメータを使用したものであり,Tachdjianのそれは肢位や関節運動について行なつたものではない.今回,我々は圧力トランスジューサを用いて関節運動,荷重による股関節内圧の変動を測定した.
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