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講座
胸腔内圧と腹腔内圧
Intra-Thoracic and Abdominal Pressure
大久保 隆男
1
Takao Okubo
1
1東北大学医学部第1内科学教室
11 st Department of Internal Medicine, School of Medicine, Tohoku University
pp.187-192
発行日 1969年3月15日
Published Date 1969/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404202000
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はじめに
最近chest wallのmechanicsが,換気力学のtopicsの一つとして注目されているが,その目的とするところは換気のgeneratorとしてのchest wallの特性ならびに換気機械としてのchest wal1の力学的特性を記述しようとするものである。
換気機械としてのchest wallの概念には,いわゆるrib cageと腹部(abdomen)の両者が含まれ,その各各が独自の働きをする。したがって換気運動を正しく理解するためには,それらの関与を別個に測定する必要がある。このような観点から換気運動を考える場合,胸腔内圧と腹腔内圧の関係はきわめて重要で,その知識なしに分析をすすめることは不可能である。とはいえ現在までの胸廓系の換気力学的研究主にstaticな特性のみに限られ,dynamicな面ではわれわれの研究室も含めて,いまだその途上にある。したがって本文においてはそのような点に主眼をおいて静的な測定条件下における胸腔内圧と腹腔内圧の問題にふれたいと思う。
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