シンポジウム 変形性股関節症の手術療法
変形性股関節症の手術療法—適応
伊藤 鉄夫
1
,
田中 清介
1
,
山本 潔
1
,
長井 淳
1
,
岡 正典
1
Tetsuo ITO
1
1京都大学医学部整形外科学教室
pp.538-550
発行日 1974年7月25日
Published Date 1974/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905014
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変形性股関節症の症例が非常に増加しているが,日本における股関節は先天性亜脱臼ないし臼蓋形成不全によるものが圧倒的に多いのが特徴である.発生原因が生来の股関節の構造的欠陥にあるのであるから,治療法の研究も出生直後から出発しなければならない.少くとも早期治療に重点を置かねばならない.
現在,本症に対しては,疾患の状態に応じて,多くの力法が提唱されているが,これらを関節の構造的欠陥の力学の観点から批判し,これを整理して,適応を明確にしておくことが大切であると思う.この論文では,まず股関節の力学の概要について述べ,次いで疾患発生の力学とそれに基づく治療の力学と適応について記述してゆく.
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