論述
大腿骨骨折に対する骨髄内固定法と内副子法の併用について
宮城 成圭
1
,
金沢 知基
1
,
宮崎 守正
1
,
箕田 政人
1
,
海江田 康光
1
Seikei MIYAGI
1
1久留米大学医学部整形外科学教室
pp.718-724
発行日 1972年9月25日
Published Date 1972/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904735
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いとぐち
骨髄内固定法に対するKüntscher9,10)の一貫した考え方は,本法により強固にして完全な固定を行なうことにある.その手段としてreamingを行ない,大口径の骨髄釘を用いるが,この原則に従って行なわれた大腿骨々折でも,遷延治癒ないし偽関節は跡を断たない.
大腿骨はその構造よりして中央3分の1部をのぞけばたとえreamingを行なっても骨髄腔と釘の口径を一致させることはできず,ことに骨萎縮の強い症例や,粉砕あるいは欠損のある場合の完全な固定は困難なことがある.ことに骨髄内固定法の欠点の1つとして挙げられるものに,本法では回転力の固定が弱い点にある.例えばAllen1)がbiomechanicalな面より検討し,13mm口径の骨髄釘を用いると,屈橈力に対しては正常骨の半分の力があるが,捻転力に対しては,はるかに弱いことを指摘している.
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