グラフ
副子の作り方当て方
渡辺 正毅
1
1東京逓信病院整形外科
pp.54-56
発行日 1961年2月1日
Published Date 1961/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1663903975
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副子シーネは金属製の梯状副子および金網副子が広く用いられている。その他木板・経木・厚紙なども副子の材料として用いられ,手指の固定にはアルミ副子も用いられる。ギプス包帯を折り返して適当の長さ,巾,厚さのギプスシーネを作って用いることもある。特殊な副子としては,下肢をのせるブラウンの副子,上腕固定用の外転副子などがある。骨折の応急処置の場合,ありあわせの棒・板・厚紙・竹などを用いて,これを副子として患肢を固定する着意が大切で,このようなものを応用副子という。骨折の場合には,少なくとも骨折部の隣接2関節を含めて固定するよう副子を当てるのが原則で,大腿骨折では骨盤から足部までの固定が必要である。一般に骨折の固定に際しては,副子は長すぎる方が間違いがなく,包帯は緊めすぎない方がよい。
副子の作り方は梯状副子の場合は,まず必要な長さに切り,両端の切口を内方に弯曲させ,あるいは絆創膏を貼るなどして皮膚を傷つける心配がないようにし,綿の下敷をおき包帯を巻いて包む。次に患肢の固定肢位に適合するように,医師がこの副子の形(角度)をつくる。副子の装用にあたって大切なのは,固定肢位の正確な保持であり,したがって医師が患肢と副子を保持し,看護婦が包帯をまく場合が多い。副子包帯を装用する場合,指先は露出しておき,時々観察して過度の緊迫や圧迫による循環障害や,神経麻痺の諸兆候を,早期に発見できるようにする。
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