臨床経験
先天性環軸椎癒合症について—特にIrreguläre Segmentationについて
本田 恵
1
,
双木 実
1
,
土沢 正雄
1
,
半田 詔一
1
,
足沢 国男
1
Megumi HONDA
1
1岩手医科大学整形外科学教室
pp.814-819
発行日 1971年9月25日
Published Date 1971/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904598
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はじめに
上位頸椎における奇形は多種多様であり,多くの人によつて報告されている.すなわちKlippel-Feil Syndrome,Os Odonoideum,Atlasassimilation,脊椎披裂1〜4)などがある.しかし,環椎と軸椎間の癒合,奇形に関しての報告は多くない.
1930年,Cave5)は2個の骨標本を引用し,初めてその実体を確認し,環軸椎の癒合は,分節異常によるものであろうと報告した.また,Dwight, Elliot Smith6)らの文献を調査し,環軸椎癒合症の大要を分類した.その後,McRae7),Bohlig8),Homkomp9),Schmidt10)らの報告がある.最近,TorklusとGehle1)(1970)は本症を,Atanto-Axial Fusionと,Irreguläre Segmentationにわけて発表している.また,本邦では1971年,教室の土沢11)らが本症を初めて報告したが,更にわれわれは,本症と思われる5例を経験したので,土沢らの症例を含め全6例について,その成因および臨床像について文献的考察を加え報告する.
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