論述
低濃度フェノール溶液による神経ブロック法(3)—薬理および組織学的考察
高浜 晶彦
1
,
原 武郎
1
,
和才 嘉昭
1
Akihiko TAKAHAMA
1
1九州労災病院リハビリテーション診療科
pp.219-224
発行日 1971年3月25日
Published Date 1971/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904523
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緒論
すでに著者らは,低濃度フェノール溶液を用いて,末梢神経遮断術を行なうとき,痙性は比較的長い期間にわたつて除去され1),その痙性除去の過程において,細い神経線維ばかりでなく,太い運動神経線維の損傷も合併することを,筋電図学的に示唆した2).
神経ブロックを施行したのち,痙性はふたたび出現するようになり,臨床的にも,電気生理学的にも,損傷神経の回復の形態が,種々なる段階をもつて示される.そこで,低濃度フェノール溶液による,末梢神経線維の損傷程度ならびに,その様式と再生過程について,家兎を用いて組織学的に検索を行なつた.また手術的に神経を露出して,神経遮断術を行なう方法と,電気刺激端子付絶縁電極針を用いて,経皮的にブロックする方法との得失について論じ,フェノールの薬理的作用についても若干の考察をくわえた.
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