境界領域
脊髄損傷患者の膀胱訓練
宮崎 一興
1
Kazuoki MIYAZAKI
1
1横浜市立大学医学部泌尿器科学教室
pp.955-964
発行日 1970年12月25日
Published Date 1970/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904488
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緒言
社会経済の進歩発展に比例して,脊髄損傷(以下脊損と略す)が,労働災害,交通災害の産物として社会問題の中に登場してきたことはもはや新しいことではない.その病像の複雑にして多岐な点では,他の疾患に余り例がないといつても過言ではなく,ひとたびこの疾患に真剣に対応した医師は,現代医学の直面するもつとも困難な疾患の一つであることを認めざるをえないであろう.脊損に伴う諸症状は,正に症候群と言うに値するほど多彩であつて,到底一Departmentの専門医の知識をもつて全症状を把握,処理することは困難で,整形外科,神経外科,泌尿器科,神経内科,心理精神科の専門医の協力はもとより,看護要員,機能訓練士,作業療法士,職業指導員,case workerらparamedical staffをも加えた総合的rehabilitation teamが一丸となつて,あくまで患者の福祉を目標に活動するのでなければ理想的なrehabilitationはできるものではない.
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