臨床経験
Marfan症候群の2例
高槻 先歩
1
,
立川 富也
1
,
小菅 弘
1
Senpo TAKATSUKI
1
1東京慈恵会医科大学整形外科
pp.947-954
発行日 1967年9月25日
Published Date 1967/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904294
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指趾が異常に長く,同時に心臓血管系・眼の異常を伴ういわゆるMarfan症候群は,1896年Marfanがはじめて報告したものである.彼は当時,四肢ことに指趾の細長い先天奇形の1例(5歳,女児)をdolichcstenoméliaと命名した.その後,1902年になつてAchardは18歳女の1例をarachnodactylieとして報告し,同年Méryは本症の脊柱変形について,また1903年Duboisは先天股脱の合併例を記載した22).その後,欧米での報告は400例を越えるといわれている(Wilner & Finby36)).
本邦では明治31年の河本の報告が最初である(丸山による15)).その後,主に眼科・小児科・内科領域から発表され,すでに100例を越えているが,整形外科領域で精査されたのは比較的少ない.われわれは最近,本症の2例を経験したので報告する.
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