特集 急増する患者を誰が診る? 成人先天性心疾患
[Chapter 3] 成人先天性心疾患各論
Marfan症候群
八木 宏樹
1
1東京大学医学部附属病院 循環器内科/マルファン症候群センター
キーワード:
Marfan症候群(MFS)
,
FBN1
,
大動脈弁輪拡張症
,
大動脈解離
Keyword:
Marfan症候群(MFS)
,
FBN1
,
大動脈弁輪拡張症
,
大動脈解離
pp.269-275
発行日 2025年8月1日
Published Date 2025/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_naika136_269
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★★★大動脈解離や大動脈瘤は一般的には高齢で発症するが,50歳未満の若年でも発症することがあり,その際には動脈硬化性よりも遺伝性胸部大動脈瘤・解離症(HTAAD)が示唆される.
★★HTAADは,Marfan症候群(MFS)やLoeys-Dietz症候群(LDS),血管型Ehlers-Danlos症候群に代表される多系統障害を伴う症候群性と,多系統障害を伴わない非症候群性・胸部大動脈瘤・解離症などに分けられる.
★HTAADは心血管合併症を発症する前に診断し,的確に管理することが突然死の予防に重要であり,HTAADの個々の疾患概念や自然歴を知っておくことは大切である.MFS患者に対する適切な健康管理,薬物治療,予防的大動脈手術などの進展により,その平均余命が改善したことで,患者数も増加の一途をたどっており,急増する患者をどのようにして管理していくかは喫緊の課題となりつつある.
★★★:一般内科診療で必要な内容,★★:総合内科専門医試験レベルの内容,★:専門性の高い内容

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