シンポジウム Ewing腫瘍とその周辺
骨髄細網肉腫とEwing腫瘍の病理
小島 瑞
1
Hajime Kojima
1
1福島県立医科大学病理学教室
pp.480,509-516
発行日 1967年5月25日
Published Date 1967/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904234
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ご承知の如く,Ewing腫瘍は極めて稀な腫瘍でありまして,私自身僅かなしかも断片的な経験しか持合せておりません。それで,Ewing腫瘍とは一体どんなものか,そうしてどういつた組織学的特徴があつたら自信をもつてEwing腫瘍と断定してよいものか,これが私の年来の願望でありました.今回本腫瘍のシンポジアムの演者に御指名頂きましたのを機会に,初めて可成り多数の剖検材料を一度に観察することが出来ました.そして,Ewing腫瘍はやはり存在するものであるということ,そして可成り顕著な組織学的特徴を示すものであるということを確めることができましたので,既に云い古された所見の数々ではありますが,再確認の意味で申し述べる次第であります.
骨髄性細網肉腫もまたEwing腫瘍に劣らず稀な腫瘍でありまして,赤崎先生の1952年の御報告では剖検例1例,生検例1例が紹介されているに過ぎません.Ewing腫瘍の本態に関する問題の中で,Ewing腫瘍と骨髄性細網肉腫との関係が最も大きな問題の一つとされておりますことから,今回Ewing腫瘍と共に骨髄性細網肉腫の実態,特に組織学的特徴を把握すべく努めてみました.
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