論述
Radioisotopeによる骨腫瘍の診断的応用(1)—85SrによるBody external countingおよびScintiscanningについて
井上 駿一
1
,
村田 忠雄
1
Shunichi INOUE
1
1千葉大学医学部整形外科学教室
pp.653-667
発行日 1968年8月25日
Published Date 1968/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903957
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骨腫瘍の診断治療方針の決定に際し,われわれは通常,臨床所見,X線学的診断,および病理学的診断の三者より注意深い検索をなすわけであるが,往々にして良性,悪性の最も基本的な診断すら困難な症例に遭遇する.両者の治療方針がまつたく異なる以上,診断し過ぎも不足も許されぬわけであるが,実際上,悪性腫瘍を良性と診断した後,極めて不幸な転帰をとる例があり,他方,逆の危険性もありうる.良性,悪性の判別に際しX線学的診断は勿論,いくつかの特徴によりわれわれに多くの手がかりをあたえうるが,なお限界があり,また生検材料ないしは試験切除による組織診断に際しては,同一標本における多彩な所見を示す骨腫瘍に対し,一枚の標本により診断を求める危険性が常々指摘されているところでもある.ここに更に骨腫瘍診断への新らたな角度よりの診断学的手段の開発が望まれるおけである.
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