境界領域
手術と糖,アミノ酸代謝
植草 実
1
,
東泉 東一
1
,
三村 孝
1
,
大場 正己
1
,
赤松 隆
1
,
楢原 徳之
1
,
小平 進
1
,
住山 正男
1
Minoru UEKUSA
1
1慶応義塾大学医学部外科学教室
pp.41-49
発行日 1968年1月25日
Published Date 1968/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903861
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大きな外科手術は生体の内部環境に著しい変動をひきおこすが,侵襲に対する著明な生体反応のうちに糖,蛋白代謝の変化がある.外傷後の血糖増加はClaude Bernard(1877)以来よく知られており,外科手術は高血糖,尿糖をきたし,耐糖能・糖利用を低下せしめる.一方Cuthbertson(19301))が骨折患者について尿中排泄窒素量の増加をみて以来,外科手術後には蛋白異化,喪失の亢進,増大がみられることも周知の事実である.
手術侵襲に由来する代謝変化についてはMoore2)の精細な著があり,術後の糖・蛋白代謝に関する研究は多い.しかしその発現機序,関連についてはなお不明の点が少なくない.ここには著者らの成績を中心にエネルギー代謝の面から,糖および蛋白を構成するアミノ酸の術後代謝変化とその関連についてのべる.
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