歴史
日本整形外科学会雑誌から—第11巻から第12巻まで
天児 民和
1
1九州大学
pp.501
発行日 1966年8月25日
Published Date 1966/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903788
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第11巻の巻頭には前田,岩原両教授の「脊髄外科」の論文がある.これは昭和10年前号にも書いた通り外科,整形外科の合同宿題として講演せられたものである.この論文でミエログラフィー,クロナキシーから脊髄腫瘍,限局性脊髄膜炎,脊椎カリエスによる麻痺,脊髄の損傷等の臨床的経験を詳細に報告するとともにその当時の世界,我が国の現況をも報告されたもので歴史的文献だろうと思われる.その当時は脊髄外科が整形外科医にとり上げられ漸く最盛期に達した感がある.その中で最も注目すべき業績は第90回東京整形外科集談会において岩原氏が外傷性の頸髄神経根の剥脱の1例を報告している.最近上腕神経叢の麻痺の中には神経根の剥脱のあることはすでに常識になっているが,我が国で最初にこれを報告したのは岩原氏である.
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