歴史
日本整形外科学会雑誌から—第5巻から第6巻まで
天児 民和
1
1九州大学
pp.189-190
発行日 1966年5月25日
Published Date 1966/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903742
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日本整形外科学会も第5回を迎えると共に次第に学会としての組織を強化していつた.従来総会は1日で行なわれていたがこの時から2日に延長された.第5巻で先ず注目されるのは日光療法の問題が取り上げられてきたことである.日光療法はスイスでRollierらが大きな成果をあげたことに刺激されてわが国でも漸く本格的研究が行なわれるようになつてきた.その現われとして鈴江瑞穂氏の日光浴の蛋白代謝に及ぼす影響についての業績がある.当時高山日光療法がよいと言われていたことに対して平地の日光療法も新陳代謝その他に大きな影響を与えることを明らかにした.また長谷盛三郎の赤血球沈降速度におよぼす影響という論文がある.その当時は赤血球沈降速度の研究は1つの流行になつていたと思われる.その他にも骨折治癒経過における赤血球沈降速度の動揺についての論文が慶応の井上によつて発表されているし,同じく慶応大学から赤血球沈降速度の測定法としてWestergren法とLinzenmeier法との比較をした論文もあり,Westergren法が簡便という結論に達している.
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