手術手技
植皮術—2.有茎植皮術
諸富 武文
1
1京都府立医科大学整形外科学教室
pp.491-500
発行日 1966年8月25日
Published Date 1966/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903787
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前回は皮膚移植の実施に際しての一般的注意事項および遊離皮膚移植術の術式について述べたが,これにひきつづき今回は有茎皮膚移植術の概略について記述してみたい.
有茎皮膚移植法は皮膚とともに皮下脂肪も同時に移植できるので,特殊な部位,たとえば顔面,関節部にまたがる大きな植皮あるいは手の外科などで広い適応を持つている.一般に手術操作がやや複雑であり,また固定による患者の苦痛も時に見られるという難点はあるにしても特に複雑な新鮮外傷および深い瘢痕を切除した後などで,骨,関節,腱あるいは神経などが露出している場合などに対しては生着が最も確実で,しかも下部の重要組織との癒着がなくかつ皮片の収縮が少ないという諸点で広い適応をもち秀れた方法である.
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