連載 医療の国際化―開発国からの情報発信
世界を繋ぐ草の根の国際協力―(1)ハイチでのこと
小原 安喜子
1
Akiko Obara
1
1ハンセン病医療国際パーソナル
pp.1208-1210
発行日 2002年10月25日
Published Date 2002/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903659
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“ジョアス(仮名)が殴り殺されました.有り金も盗まれていたそうです”.送信文を読む目が涙に霞んだ.大きな,ラグビー・ボール型の実が拳ほどに小さく見える高い椰子の下で,兎眼の顔一杯に笑みを見せた姿が,霞の中に現れては消えた.
ハンセン病で知覚を失った足に難治性潰瘍のできた彼は,1993年,初めて会ったとき既に両下腿切断となっていた.両上肢は,橈骨・正中・尺骨神経麻痺で廃用手に近く,日本の身体障害等級なら1級に該当する.
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