連載 医療の国際化 開発国からの情報発信
世界を繋ぐ草の根の国際協力―(4)ネパールでのこと
小原 安喜子
1
Akiko Obara
1
1ハンセン病医療国際パーソナル・ヴォランティア
pp.1320-1322
発行日 2003年10月1日
Published Date 2003/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408100840
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1986年6月,カルカッタからネパールの主都カトマンドゥに飛んだ.雲海をつき抜いてヒマラヤの峰々が見えてしばらく経つと,着陸体勢に入るとアナウンスが流れた.だが機体降下の感じは余りない.標高1,300mの盆地を囲む山々に沿って着陸指示を待ち旋回する飛行機は,多分2,000m余りの高度を保って飛んでいたのだろう.山の国に来たことを実感する.
ネパールと言えば誰もがヒマヤラの山々を想う.そしてシェルパと登山家,勇敢なグルカ兵,去年起った王朝内での荒れごと,さらに毛沢東主義を信奉する人々の問題提起行動などを思い浮べるだろう.既に訪れたことのある日本人も多い魅力豊かな秘境である.
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