シンポジウム 下肢長管骨骨折に対するminimally invasive surgery
緒言
糸満 盛憲
1
1北里大学医学部整形外科
pp.1104-1106
発行日 2001年10月25日
Published Date 2001/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903375
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今年の春に千葉の幕張メッセで開催された第74回日本整形外科学会学術集会でパネルディスカッションとして取り上げられた「下肢長管骨骨折に対するminimally invasive surgery」を誌上シンポジウムとして掲載することになりました.近年の外科手術は,一時期の癌や肉腫の手術に見られるような徹底した切除を目指した広範囲手術から,低侵襲の縮小手術に向かっています,関節鏡,消化管・気管内視鏡,腹腔鏡,胸腔鏡などが検査機器から鏡下手術に利用されるようになったことが,低侵襲手術を牽引する原動力となってきました.
骨折の手術において,1970年代から急速に普及したAO compression plateによる骨接合術は優れた成績を残しました.しかし,AOプレート固定の手技は,大きく皮膚・軟部組織を切開して骨折部を広く展開し,骨膜を広範に剥離して骨折部を一分のすき間もないほど丁寧に解剖学的に整復して,強靱なプレートで固定するものでありました.AOグループは圧迫プレートによって術後の外固定を不要とし,早期の関節運動を可能にすることで,患肢の機能を最大限に獲得することを目指したもので,この力学的に強固な内固定で目標を達成することができました.
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