特集 脊椎外科最近の進歩―主題とパネル演題を中心に(第29回日本脊椎外科学会より)
序:脊椎外科最近の進歩―主題とパネル演題を中心に
吉澤 英造
1,2
1藤田保健衛生大学医学部整形外科
2第29回日本脊椎外科学会
pp.362-363
発行日 2001年4月25日
Published Date 2001/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903242
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第29回日本脊椎外科学会では,主題に「椎間板ヘルニア」を,パネル演題として「頚椎後弯症の治療と問題点」,「難治性脊髄腫瘍の治療」を取り上げた.ヘルニアはポピュラーな疾患であり,予想通りに多数の演題が寄せられ,プログラム委員の評価を基にシンポジウムを組み,他を主題関連演題としてまとめた.また,基礎的演題は全て展示発表として,専門分野の人達による討論を期待した.展示発表中は全ての口演発表を中断したことも効を奏し,予想に違わず活気を帯びた.主題・パネル演題以外にも優れた一般演題が多く寄せられ,この特集号を飾っている.
1897年,三浦謹之助が記載した首下がり病を初めとして,頚椎弯曲異常は未だその病態が系統的に整理されておらず,その治療に関しても一定した統一見解が示されてはいない.頚椎後弯を伴う頚髄症の手術についても,前方法,後方法,両者合併法のいずれを選択するべきか,その適応を含めて意見は一致していない.脊柱の弯曲は成長の過程で形成されてくるものであり,主催者としては,治療に当たっての論理的根拠を全脊柱のアラインメントを含めて論じてほしかったのであるが,今回はやや消化不良の感は否めなかった.
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