特集 脊椎外科最近の進捗―脊椎骨切り術と脊椎再建を中心として―(第27回日本脊椎外科学会より)
序:脊椎外科最近の進歩―脊椎骨切り術と脊柱再建を中心として
金田 清志
1,2
1第27回日本脊椎外科学会
2北海道大学医学部整形外科
pp.384-385
発行日 1999年4月25日
Published Date 1999/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902676
- 有料閲覧
- 文献概要
第27回日本脊椎外科学会は「脊椎骨切り術と脊柱再建」を主題として,1998(平成10)年6月18,19日の2日間にわたり開催されました.脊椎骨切り術“spinal osteotomy”の概念に包含される手術は,四肢骨における骨切り術に比較するとまだあまり馴染みのないことかも知れません.しかし,脊柱変形をより効果的に矯正するために,あるいは脊柱管内での神経障害病態の除去や不安定病態をより根治的に治療するため,脊柱構成体の一部あるいは全脊椎を切除する(total vertebrectomy/spondylectomy)脊椎骨切り術は,脊柱再建の目的をより一層効果的に達成させる可能性を秘めた方法であります.
前方脊椎骨切り術の嚆矢ともなった脊椎カリエスへの胸椎・腰椎前方到達手術は京都大学・伊藤 弘教授により開拓されました(A new radical operation for Pott's disease;Report of ten cases. J Bone Joint Surg 16:499,1934).一方,故桐田良人先生は頚椎後縦靱帯骨化症の数多い臨床経験の蓄積と成績検討から脊髄同時除圧の必要性を感知され広範椎弓切除術の頚椎骨切り術を考案されました.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.