整形外科philosophy
整形外科学教室のあり方
玉井 進
1,2
1奈良県立医科大学
2奈良マイクロサージャリー・手の外科研究所
pp.1527-1529
発行日 2000年12月25日
Published Date 2000/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408903162
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●なぜ私に認定医試験委員長を?
私が日本整形外科学会の理事を務めていた平成5年4月~平成9年6月までの4年間,理事長のご指名で認定医試験委員長という大役を仰せつかった.私ごとき大和の片田舎の医科大学教授にとっては青天の霹靂ともいうべき大役で,果たして私に務まるかどうか全く自信がなかった.委員会の先生方のご指導とご協力によって何とか無事にその役職を全うすることができたのは幸いであった.認定医試験委員長は整形外科全般についての広い識見を有することが不可欠の条件である.平成5年度の理事長であった山内裕雄先生が,どうして手の外科・マイクロサージャリー専門の私にこの大役を仰せつけられたかを考え直してみると,私の教室は脊椎,肩関節,手・マイクロサージャリー,股関節,膝関節,足,リウマチ,腫瘍,骨再生,形成外科(いまだ独立していないが)の10研究グループを擁しており,いかなる疾患や外傷にも対処でき,それぞれの学会や研究会にも積極的に参加できる体制をとっているからではないかと思う.臨床カンファレンスで見聞きする専門外の症例についても,広く勉強できたことは試験委員長の私に大きな自信を与えてくれた.
教室の初代教授である故恩地 裕先生時代は教室員の数も少なく,関連病院の拡大に大変な犠牲を払っておられた時期でもあったので,ご自身の専門であった股関節,脊椎グループのほかに,新しく切断肢再接着術を目標とする実験外科グループ(これが後にマイクロサージャリーと手の外科に発展することになった)が加えられたに過ぎなかった.
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