講座 公衆衛生従事者のための食生活指導・1
長野県における健康教室のあり方をめぐって
金木 歌子
1
1長野県更埴保健所保健予防課
pp.137-143
発行日 1979年2月15日
Published Date 1979/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205786
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はじめに
長野県の健康教室は,主婦の栄養教室に始まり,栄教室,健康教室と,地域の人々の要望にこたえ,時代の流れに沿って,名称も内容も変化しながら,地域に定着してきた20年余の歴史を持っている.すなわち,①昭和30年から10年間続いた栄養の話,料理を中心にした主婦の栄養講座,②昭和41年に始まった食生活改善を進めるために,地域の中間指導者育成を重点的にねらった栄養教室の時代,そして③昭和49年に始まった,健康をさらに増進させることをねらって,「栄養」,「運動」,「休養」の三拍子をそろえたうえで,さらに個人レベルの啓蒙・啓発をはかる健康教室や病態栄養の教室,この各時期に分けられる20年間である.
この間,それぞれ特色を生かし,指導方法を工夫し,実践してきたことについて,それなりの評価はなされてきたと思う.しかし,問題がなかったわけではない.特に「健康教室」となって,個人の健康測定や運動処方などを含む総合化された指導の中での"食生活のあり方"について,われわれ栄養士の新しい指導理念を持たなければならなくなったのである.
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