Japanese
English
論述
脊椎・脊髄疾患に対するリエゾン精神医学的アプローチ(第1報)―脊椎退行性疾患の身体症状に影響する精神医学的問題の検討
Liaison Consultation Psychiatry for Spine and Spinal Cord Diseases : Influence of the Psychiatric Problems on the Physiological Symptoms in the Patients with Degenerative Spine Diseases
佐藤 勝彦
1
,
菊地 臣一
1
,
増子 博文
2
,
丹羽 真一
2
Katsuhiko Sato
1
1福島県立医科大学医学部整形外科
2福島県立医科大学医学部神経精神科
1Department of Orthopaedic Surgery, Fukushima Medical University, School of Medicine
キーワード:
liaison consultation psychiatry
,
リエゾン精神医学
,
degenerative spine disease
,
脊椎退行性疾患
,
psychiatric problem
,
精神医学的問題
Keyword:
liaison consultation psychiatry
,
リエゾン精神医学
,
degenerative spine disease
,
脊椎退行性疾患
,
psychiatric problem
,
精神医学的問題
pp.1499-1502
発行日 1999年12月25日
Published Date 1999/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902867
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
抄録:脊椎・脊髄疾患を有する症例における精神医学的問題について調査した.精神医学的問題を合併している症例では,整形外科疾患の内容に関わらず,不眠,抑うつ,およびイライラ感といった非特異的な精神症状を高率に合併していた.脊椎・脊髄疾患の身体症状に影響を与えていた精神医学的問題の内容は様々であった.気分障害や不安障害に分類される精神医学的問題により身体症状が影響されている症例では,精神科での治療を併用することで身体症状の軽快が容易に得られた.しかし,身体表現性障害,適応障害,および人格障害に分類される精神医学的問題により身体症状が影響を受けている症例では,整形外科と精神科の両科での治療を行っても身体症状を軽快させることは困難であった.したがって,脊椎・脊髄疾患に合併している精神医学的問題の内容によっては,手術療法を回避することが妥当と思われる症例が存在している可能性に留意する必要がある.
Copyright © 1999, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.