Japanese
English
臨床経験
腓腹筋内に発生したガングリオンの2例
Two Cases of a Ganglion in the Musclebelly of the Gastrocnemius
前田 啓志
1
,
矢野 悟
1
,
山田 昌弘
1
,
箱木 知也
1
,
板倉 良友
1
,
本田 久樹
1
Hiroshi Maeda
1
1市立加西病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Kasai Municipal Hospital
キーワード:
ganglion
,
ガングリオン
,
intramuscular
,
筋肉内
,
medial head of gastrocnemius
,
腓腹筋内側頭
Keyword:
ganglion
,
ガングリオン
,
intramuscular
,
筋肉内
,
medial head of gastrocnemius
,
腓腹筋内側頭
pp.67-71
発行日 1999年1月25日
Published Date 1999/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902619
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抄録:今回われわれは,腓腹筋内に発生したガングリオンの2例を経験した.
症例は8歳女児と64歳男性で,主訴はいずれも下腿内側部の腫瘤であった.2例とも皮膚との癒着はなく,深部との可動性はなかった.矢状面T2強調MR画像では筋肉内に境界明瞭な紡錘状の,横断面では円形のhigh signalの陰影を認めた.術中,腓腹筋内側頭内に多房性腫瘤を認め,中枢端は腱内に終わり,末梢端は筋肉内で盲端となっていた.病理組織像では,筋膜と付着した多房性の嚢胞を認め,壁は線維性結合組織よりなっていた.筋肉内ガングリオンは,1952年にBrooksが最初に報告し,本邦では殿谷の報告以来自験例も含め46例であり,うち腓腹筋内発症は13例であった.本症例においては,軽微な外傷あるいは機械的ストレスを契機として粘液様変性を呈しながら腓腹筋腱内より腓腹筋内へと拡大していったものと考えられた.
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