Japanese
English
論述
ガングリオンによる足根管症候群
Tarsal Tunnel Syndrome Caused by Ganglion Compression
長岡 正宏
1
,
佐藤 勤也
1
,
江川 雅昭
1
,
金沢 伸彦
1
,
武村 剛
1
Masahiro Nagaoka
1
1日本大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Nihon University School of Medicine
キーワード:
足根管症候群
,
tarsal tunnel syndrome
,
絞扼神経障害
,
entrapment neuropathy
,
ガングリオン
,
ganglion
Keyword:
足根管症候群
,
tarsal tunnel syndrome
,
絞扼神経障害
,
entrapment neuropathy
,
ガングリオン
,
ganglion
pp.1124-1129
発行日 1987年10月25日
Published Date 1987/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408907704
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抄録:ガングリオンによる足根管症候群は稀なものとされ,まとまった報告はきわめて少ない.そこで自験例をもとにガングリオンによる本症の病態,診断,治療および予後について,他の原因による本症と比較し,その特徴を検討した.過去8年間に経験した足根管症候群は45例54足である.そのうちガングリオンによるものは12例であり,従来思われていたほど稀なものではない.臨床症状のうち知覚障害の範囲は他の原因による症例と異なり,内側足底神経領域のみの障害例が75%と多かった.このことは,ガングリオンの起始部が距踵関節由来のものが多かったことと関連があると推察された.診断は,臨床症状より容易であることが多いが,腫瘤の穿刺は騎乗している脛骨神経を損傷することがあるため,安易に行うべきではない.治療法は,手術的治療が原則となるが,再発を防ぐため,できるだけその起始部より摘出することが望ましい.予後は一般的に良好である.
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