Japanese
English
臨床経験
下腿ガングリオンの1症例
Ganglion in Lower Leg: A Case Report
三須 一雄
1
,
中川 研二
1
,
片田 重彦
1
,
安藤 謙一
1
,
杉浦 達昌
1
,
清水端 松幸
1
Kazuo Misu
1
1藤田学園保健衛生大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Fujita-Gakuen Health University, School of Medicine
キーワード:
ガングリオン
,
ganglion
,
下腿
,
lower leg
,
脛腓関節
,
tibiofibular joint
Keyword:
ガングリオン
,
ganglion
,
下腿
,
lower leg
,
脛腓関節
,
tibiofibular joint
pp.195-197
発行日 1986年2月25日
Published Date 1986/2/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908713
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抄録:近位脛腓関節より発生し,下腿中央にまで茎をもって下垂して腫瘤を形成した下腿ガングリオンの1症例を経験した.症例は43歳の女性で右下腿の腫脹を主訴として来院した.下腿上中1/3前外側に小指頭大の腫瘤を認め圧痛があり,CT像にて右下腿伸筋群に一致して,境界明瞭な直径約2cmの円形の低吸収域が認められた.手術的に摘出すると,内容物はゼリー状で,病理組織学的診断はガングリオンであった.3ヵ月後に再発し,1年後に再手術を行った.前脛骨筋と長趾伸筋との間に小指頭大の弾性硬の腫瘤があり,下腿中央より径3mmの管状の組織が近位脛腓関節まで連続していた.以上より本症例は,近位脛腓関節より発生したガングリオンが,前脛骨筋と長趾伸筋との筋間の比較的抵抗減弱部に向かい,重力により下垂してきたものと考えた.従って下腿中央のガングリオンの症例に際しては,中枢への連続性に充分注意する必要があると考える.
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