Japanese
English
臨床経験
広範な硬膜外膿瘍を伴い両下肢不全麻痺を生じた腰椎化膿性脊椎炎の1例
Pyogenic Spondylitis of the Lumbar Spine with Incomplete Paraplegia Caused by Extensive Epidural Abscess : Report of a Case
村田 雅明
1
,
新宮 彦助
1
,
木村 功
1
,
那須 吉郎
1
,
塩谷 彰秀
1
,
米井 徹
1
,
橋口 浩一
1
,
馬場 賢治
1
Masaaki Murata
1
1山陰労災病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, San-in Rosai Hospital
キーワード:
pyogenic spondylitis
,
化膿性脊椎炎
,
epidural abscess
,
硬膜外膿瘍
,
lumbar spine
,
腰椎
Keyword:
pyogenic spondylitis
,
化膿性脊椎炎
,
epidural abscess
,
硬膜外膿瘍
,
lumbar spine
,
腰椎
pp.909-913
発行日 1998年7月25日
Published Date 1998/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902491
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抄録:症例は65歳,女性.誘因なく腰部激痛が出現し,体動困難となり約1週間後に当院を受診した.初診時神経学的には異常はなく,単純X線像でL2/3の椎間腔の狭小化を認めた.MRIではL1からL4レベルにおよぶ硬膜外膿瘍を伴うL2/3,3/4の化膿性脊椎炎の像を呈した.入院後抗生剤投与と安静にかかわらず腰痛の改善なく,両下肢の筋力低下が出現した.このため入院5日後にL2/3,3/4の前方病巣掻爬固定術を施行した.術後は腰痛消失し,術後3ヵ月で下肢筋力も正常化した.術後3ヵ月のMRIで硬膜外膿瘍は消失していた.本症例のように膿瘍が広範に及ぶ場合は病巣を完全に掻爬することは困難である.しかし,炎症の発生源であるL2/3,L3/4椎間板を掻爬し,多くの炎症組織を取り除いて病巣を縮小したことにより,術後の抗生剤の使用で炎症を鎮静化しえたものと考えている.
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