Japanese
English
臨床経験
腰部脊柱管内に発生した滑膜嚢腫の1例
Lumbar Intraspinal Synovial Cyst : A Case Report
日浅 匡彦
1
,
辺見 達彦
1
,
兼松 義二
1
,
坂本 林太郎
1
,
浜田 佳孝
1
,
四宮 禎雄
2
Masahiko Hiasa
1
1健康保険鳴門病院整形外科
2健康保険鳴門病院病理
1Department of Orthopaedic Surgery, Health Insurance Naruto Hospital
キーワード:
synovial cyst
,
滑膜嚢腫
,
lumbar spine
,
腰椎
,
facet joint
,
椎間関節
Keyword:
synovial cyst
,
滑膜嚢腫
,
lumbar spine
,
腰椎
,
facet joint
,
椎間関節
pp.915-918
発行日 1998年7月25日
Published Date 1998/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902492
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抄録:腰部脊柱管内に発生し,馬尾性間欠跛行を呈した滑膜嚢腫の1例を報告した.患者は,66歳男性.腰痛,両下肢痛,および間欠性跛行を主訴に来院した.入院時所見は,両下肢,肛門周囲に知覚障害を認め,排尿障害もあった.JOA scoreは8点であった.MRIでは,L4/5高位の硬膜外背側にT1強調画像で低信号,T2強調画像では高信号の腫瘍性病変を認めた.とくに,T2強調画像では腫瘍性病変の頭側および腹側が線状の低信号を呈し,カプセルを疑わせる所見であった.造影MRIでは,腫瘍性病変の辺縁が厚く造影された.手術所見は,両側L4/5間に2つの腫瘤があり,椎間関節との連絡を確認した.病理所見では多数の嚢胞を認め,嚢胞壁には多数のlining cellがみられた.以上より,両側性のL4/5椎間関節由来の滑膜嚢腫と診断した.術後11ヵ月の現在,JOA scoreは25点で改善率81%と経過は良好である.
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