Japanese
English
論述
腰部脊柱管狭窄症に対する超音波療法
Ultrasound Therapy for Lumbar Spinal Canal Stenosis
鈴木 信治
1
,
佐多 和仁
1
,
稲田 充
1
Nobuharu Suzuki
1
1NTT東海総合病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, NTT Tokai General Hospital
キーワード:
lumbar spinal canal stenosis
,
腰部脊柱管狭窄症
,
ultrasound therapy
,
超音波療法
,
intermittent claudication
,
間欠跛行
Keyword:
lumbar spinal canal stenosis
,
腰部脊柱管狭窄症
,
ultrasound therapy
,
超音波療法
,
intermittent claudication
,
間欠跛行
pp.315-320
発行日 1998年3月25日
Published Date 1998/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902393
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抄録:神経性間欠跛行を有する腰部脊柱管狭窄症患者83人に,超音波を照射して治療直後と追跡調査時の成績を検討した.患者は神経障害形式による分類では,神経根型が61例,馬尾型9例,混合型13例であった.超音波は側臥位で,罹患椎弓患部を中心として回転移動法で10分間照射した.出力1.5W/cm2,周波数I MHzで,10回を1クールとして0.9~10.3クール,平均3.1クール照射した.超音波療法終了直後の成績は間欠跛行が消失したものと軽滅したものを加えた有効率は78.3%であり,神経根型は有効率85.3%,馬尾型は55.6%,混合型は61.6%と馬尾型は良くない傾向がみられた,罹病期間との関連では有意な相関があり,罹病期間が短いほど治療成績は良好であった.すべりの程度と治療成績については明らかな相関はなかった.安静時症状の有無による治療成績については,有意な相関はなかったが,安静時症状の無いものの方が改善がよかった.3カ月以上,平均972.0日の追跡調査結果では,症状の軽快が得られず手術を行った9例を除くと,間欠跛行の消失59.0%,軽減41.0%と,治療終了直後よりも良好な成績であったが統計学的な有意差はなかった.また,神経根型の5例では経過中症状の再発があり,再度US療法を行い,1例は手術に移行し,4例は間欠跛行が消失した.
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