Japanese
English
臨床経験
環椎後弓骨折を伴わない軸椎椎体斜骨折の1例
A Case of Oblique Fracture in Vertebral Body of Axis without Fracture of Atlas
荻野 睦
1
,
千葉 昌宏
1
,
持田 譲治
1
,
西村 和博
1
Mutsumi Ogino
1
1東海大学医学部整形外科
1Department of Orthopedic Surgery, Tokai University School of Medicine
キーワード:
axial load
,
軸圧
,
axis
,
軸椎
Keyword:
axial load
,
軸圧
,
axis
,
軸椎
pp.961-964
発行日 1997年8月25日
Published Date 1997/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408902244
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抄録:稀な骨折型を示す軸椎椎体骨折に,頚髄不全損傷を伴った症例を経験し,手術的治療にて良好な結果を得たので報告する.症例は44歳の男性,伐採作業中に倒れてきた木により頭頂部を強打した.その直後より両上下肢の筋力低下と知覚消失,および呼吸困難が出現し当院へ搬送された.C5レベル以下に運動,知覚の完全消失を認めたが,深部腱反射は正常で肛門反射も残存していた.単純X線,CTおよびMRIにて,C2椎体前上方から後下方へ向かう骨折線とC2椎体頭側骨片の約6mmの後下方転位を認めた,本骨折は,既存のいずれの分類にも属さない稀な骨折型であり,発生機序は頭蓋,C1,C2に対する伸展モーメントを伴わない,純粋な軸圧負荷と思われた.頭蓋直達牽引にて整復位は得られず神経症状の改善も認めなかったため,第3病日に前方進入による骨片のスクリュー固定とC2/3間への骨移植を施行した.その結果,良好な神経症状の改善を認めた.
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