Japanese
English
臨床経験
posttraumatic osteolysis of the pubic boneの1例
A Case of Posttraumatic Osteolysis of the Pubic Bone
長野 真久
1
,
山本 潔
1
,
琴浦 良彦
2
Masahisa Nagano
1
1寿尚会洛陽病院整形外科
2市立長浜病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Rakuyou Hospital
キーワード:
posttraumatic osteolysis
,
外傷性骨吸収
,
pubic bone
,
恥骨
,
osteoporosis
,
骨粗鬆症
Keyword:
posttraumatic osteolysis
,
外傷性骨吸収
,
pubic bone
,
恥骨
,
osteoporosis
,
骨粗鬆症
pp.1053-1055
発行日 1996年9月25日
Published Date 1996/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901995
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抄録:posttraumatic osteolysis of the pubic boneの1例を報告する.症例は69歳女性.右殿部打撲後の右恥骨部痛を主訴に来院した.X線上恥骨骨折を認め,CT像,およびMRI像で恥骨周囲に腫瘤を認めた.MRI像上,恥骨骨折に伴う炎症性肉芽腫や膿瘍,あるいは悪性骨腫瘍が考えられたが,生検による組織診では肉芽種であった.2カ月後のX線像では骨折部の骨吸収像が出現したが,CT像およびMRI像上で腫瘤は縮小しており,3カ月後には疼痛も消失した.本疾患は骨折の治癒過程であると考えられ,骨粗鬆症を伴う高齢女性に外傷を契機に発生することが多い.保存的治療のみで数カ月以内に治癒するといわれているが,X線像で恥骨の破壊性・溶骨性病変を示すため悪性骨腫瘍と間違えやすい.本疾患の診断には外傷歴の詳しい聴取,MRIによる画像診断,および生検による組織診が必要であると思われた.
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