Japanese
English
臨床経験
鎖骨端に発症したposttraumatic osteolysisの1例
Posttraumatic Osteolysis of the Distal Clavicle : A Case Report
元津 雅彦
1,2
,
井上 正史
1
,
日浅 浩成
1
,
池田 俊彦
1
,
田口 浩之
1
,
小田 伸悟
1
,
宮本 良治
1
,
前田 智治
3
,
水木 伸一
4
Masahiko Motozu
1,2
1愛媛県立中央病院整形外科
2神戸中央市民病院整形外科
3愛媛県立中央病院病理
4国立療養所愛媛病院整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Ehime Prefectural Central Hospital
キーワード:
posttraumatic osteolysis
,
外傷後骨溶解
,
distal clavicle
,
鎖骨端
,
osteoclast
,
破骨細胞
Keyword:
posttraumatic osteolysis
,
外傷後骨溶解
,
distal clavicle
,
鎖骨端
,
osteoclast
,
破骨細胞
pp.979-981
発行日 1996年8月25日
Published Date 1996/8/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901980
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抄録:鎖骨端に発症するposttraumatic osteolysisは比較的軽微な外力にもかかわらず肩鎖関節部の腫脹と疼痛が続き,数カ月後には鎖骨端の骨融解をみる比較的稀な疾患である.本症の1手術例につき報告した.症例は19歳男,1993(平成5)年6月14日自転車にて走行中転倒し左肩を打撲,翌日のX線にて異常を認めなかった.左肩鎖関節部の腫脹と疼痛が続き,3カ月後鎖骨端の骨融解をみた.同部には軽度の腫脹と圧痛を認めた.一般的な検査には異常を認めなかった.疼痛が続くため,1994(平成6)年1月7日鎖骨遠位端の切除と滑膜の部分切除を行った.鎖骨端の病理組織像では,骨皮質は著明に増殖した破骨細胞により吸収され菲薄化していた.病因は明らかではないが,終末神経・血管の損傷,自律神経障害,充血に伴う異化効果,破骨細胞による骨吸収の異常な亢進等が考えられている.本例では,破骨細胞による骨吸収が何らかの機転により異常に亢進していることが確かめられた.
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