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特集 上位頚椎疾患―その病態と治療(第23回日本脊椎外科学会より)
後方支持要素を最大限に温存した棘突起縦割式脊柱管拡大術の成績と問題点
Clinical Results and Problems of the Sagittally Splitting Laminoplasty Preserving the Maximum Amount of Posterior Supporting Structures
久野木 順一
1
,
真光 雄一郎
1
,
蓮江 光男
1
Jun-ichi Kunogi
1
1日本赤十字社医療センター整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Japan Red Cross Medical Center
キーワード:
頚椎症性脊髄症
,
cervical spondylotic myelopathy
,
脊柱管拡大術
,
expansive laminoplasty
,
頚椎前弯
,
cervical lordosis
Keyword:
頚椎症性脊髄症
,
cervical spondylotic myelopathy
,
脊柱管拡大術
,
expansive laminoplasty
,
頚椎前弯
,
cervical lordosis
pp.507-512
発行日 1995年4月25日
Published Date 1995/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901615
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抄録:頚椎構築や頚椎運動機能を考慮し,黒川式棘突起縦割法脊柱管拡大術において,後方支持組織を可及的に維持するため.棘突起・靱帯・頚部背筋群コンプレックス温存をはかった術式を行った.手術成績では,JOAスコアで術前平均9.8±3.1が術後平均14.1±2.0となり平均改善率は58.0%であった.中間位での頚椎前弯度は,術前平均19.0°±11.8°(-4°~43°)が,術後平均22.8°±13.1°(-5°~52°)とわずかに増大していた.
本術式により頚椎前弯度を維持することが可能であった.さらに項筋群の再建時における頚椎伸展の程度を調節することにより,症例によっては術前より前弯を増大させることを含め,ある程度の頚椎アラインメントのコントロールも可能と思われた.一方,左右の背筋群にアンバランスを生じた例も存在し,頚部背筋群の再建時に適切な筋の緊張を保ち,かつ原位置での再建が必要と考えられた.
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