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特集 不安定頸椎—基礎と臨床—(第17回日本脊髄外科研究会より)
頸部脊柱管拡大術後の頸椎可動性について—片開き式と棘突起縦割法の比較
Cervical Spine Motion after Expansive Laminoplasty: Open-door Laminoplasty v.s. Split Spinous Process Method
大村 文敏
1
,
白井 康正
1
,
中川 俊
1
,
山口 淳一
1
,
藤原 淳
1
,
大場 俊二
1
Fumitoshi Ohmura
1
1日本医科大学整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Nippon Medical School
キーワード:
脊柱管拡大術
,
expansive laminoplasty
,
頸椎可動性
,
cervical spine motion
,
片開き式脊柱管拡大術
,
expansive open-door laminoplasty
,
棘突起縦割法脊柱管拡大術
,
cervical canal enlargement by split spinous process method
,
制動効果
,
stabilizing effect
Keyword:
脊柱管拡大術
,
expansive laminoplasty
,
頸椎可動性
,
cervical spine motion
,
片開き式脊柱管拡大術
,
expansive open-door laminoplasty
,
棘突起縦割法脊柱管拡大術
,
cervical canal enlargement by split spinous process method
,
制動効果
,
stabilizing effect
pp.453-459
発行日 1989年4月25日
Published Date 1989/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408908087
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抄録:頸部脊髄症に対し脊柱管拡大術を行い,術前後の頸椎可動性や彎曲異常の発生について,片開き式と棘突起縦割法との比較検討を行った.その結果,脊柱管拡大術後は頸椎可動性は制限され,術後新たな不安定性の出現はなかった.また術前に不安定性を有していた症例でも術後増強することは無く,むしろ制動されていた.可動域減少と症状改善率の間には正の相関があり,dynamic factorの除去による制動効果ありと言える.この制動効果は棘突起縦割法の方が片開き式より優れていたが,彎曲異常は棘突起縦割法に多く見られた.片開き式では蝶番側の椎間関節のみが侵襲された状態で残るのに対し,棘突起縦割法では両側で侵襲されたまま残り,さらに棘突起間の移植骨が骨性に癒合することがあるので,より強い制動効果を示すものと思われる.しかしいずれの術式でも術後は制動されるので,不安定頸椎の場合でも脊柱管拡大術の適応があるものと考えている.
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