Japanese
English
論述
腰痛の伝達経路に関する考察―L2神経根ブロックによる検討
A Study of The Afferent Pathways of Low Back Pain: Analysis with L2 Nerve Root Infiltration
中村 伸一郎
1
,
高橋 和久
1
,
山縣 正庸
1
,
村上 正純
1
,
菅谷 啓之
1
,
関川 敏彦
1
,
森永 達夫
1
,
安原 晃一
1
,
守屋 秀繁
1
,
高橋 弦
2
Shin-ichiro Nakamura
1
1千葉大学医学部整形外科
2国立精神神経センター国府台病院整形外科
1Department of Orth-opaedic Surgery, School of Medicine, Chiba University.
キーワード:
腰痛
,
low back pain
,
疼痛経路
,
pain pathways
,
L2神経根ブロック
,
L2 nerve root infiltration
,
交感神経求心路
,
sympathetic afferent
Keyword:
腰痛
,
low back pain
,
疼痛経路
,
pain pathways
,
L2神経根ブロック
,
L2 nerve root infiltration
,
交感神経求心路
,
sympathetic afferent
pp.1097-1102
発行日 1994年10月25日
Published Date 1994/10/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901465
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抄録:腰痛が交感神経求心路によって伝達されると考え,慢性腰痛患者20名に交感神経の最下位髄節であるL2神経根のブロックを行った.全例で疼痛部位を含む腰殿部に痛覚鈍麻域が出現し,ブロック側の腰痛が消失または著明に軽減した.痛みの程度を示すvisual analog scale(20点満点)はブロック前平均10.2±4.4から0.9±1.4に減少した.殿部痛を認めた8例では全例痛みが消失した.下腿部痛は7例中1例で消失,1例は軽減し,5例は不変であった.SLR testは陽性の6例全例で不変であった.ブロックの効果持続時間は1.5時間~97日,平均20.8日で,9例で1週間以上,うち6例は1カ月以上であった.以上より腰痛の伝達経路はL2神経根を通る交感神経求心路であると考えられた.またL2神経根ブロックは腰痛の保存療法の1つとして有効であることが示唆された.
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