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誌上シンポジウム 整形外科疾患における痛みの研究
整形外科固有の痛みの発症機序の基礎的研究―特に関節痛と腰痛の特性に関して
Characteristics of Sensory Nerves Innervating Joints and Lumbar Intervertebral Discs
大鳥 精司
1
,
高橋 和久
1
,
守屋 秀繁
1
Seiji Ohtori
1
,
Kazuhisa Takahashi
1
,
Hideshige Moriya
1
1千葉大学大学院医学研究院・整形外科学
1Department of Orthopaedic Surgery, Chiba University
キーワード:
low back pain
,
腰痛
,
joint pain
,
関節痛
,
sensory nerve innervation
,
神経支配
Keyword:
low back pain
,
腰痛
,
joint pain
,
関節痛
,
sensory nerve innervation
,
神経支配
pp.523-530
発行日 2007年6月25日
Published Date 2007/6/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408101059
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麻酔科領域の神経性疼痛は動物モデルが存在し,ここ10年で飛躍的に発展した.しかし,関節痛,腰痛などの整形外科領域の痛みの研究は十分には行われていない.この章では,関節痛と腰痛の疼痛機序に関して述べたい.膝関節,手関節,腰椎椎間板はある神経栄養因子(nerve growth factor:NGF)によって栄養される神経細胞により特異的な支配を受けている.これらは,病的状態ではNGFに反応し,病的軸索を発芽させ,疼痛を惹起していると考えられている.また,これらの部位は,いくつもの後根神経節に支配されており,その多高位の支配が疼痛認識の分解能を曖昧にしている.これらを踏まえると,今後,整形外科疾患由来の痛みを治療するにあたり,そのターゲットはNGFや神経発芽の抑制であり,また複雑な疼痛伝達経路の解明であろう.様々な手法を用いてこれらを解明し,可能性のある治療方針を以下に記す.
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