Japanese
English
特集 椎間板―基礎と臨床(第22回日本脊椎外科学会より)
脱出椎間板の自然吸収と臨床的意義
Spontaneous Resorption of the Herniated Disc and Its Clinical Significance
中村 孝文
1
,
池田 天史
1
,
千田 治道
1
,
高木 克公
1
,
瀬井 章
1
,
福山 紳
1
,
梅田 修二
1
Takafumi Nakamura
1
1熊本大学医学部整形外科学教室
1Department of Orthopaedic Surgery, Kumamoto University School of Medicine
キーワード:
腰椎椎間板ヘルニア
,
lumbar disc herniation
,
自然吸収
,
spontaneous resorption
,
脱出椎間板
,
extruded disc
Keyword:
腰椎椎間板ヘルニア
,
lumbar disc herniation
,
自然吸収
,
spontaneous resorption
,
脱出椎間板
,
extruded disc
pp.465-469
発行日 1994年4月25日
Published Date 1994/4/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901350
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抄録:最近腰椎椎間板ヘルニアが,自然縮小するという報告が散見される.今回,保存的に加療した脱出型ヘルニアと思われる9例についてMRI上のヘルニア塊の大きさの変化を観察した.その結果,全例にヘルニアの縮小が認められ,早いものでは2カ月で消失した.また,手術時に採取した椎間板ヘルニア30例の組織学的検討から後縦靱帯を穿破しているヘルニア塊の周辺にマクロファージを主とする炎症細胞の集合が多く認められた.さらに,日本白色家兎の自家尾椎椎間板の硬膜外移植実験では,移植後4日で既にマクロファージが集合しており,4週の時点では移植した椎間板は,著しく縮小していた.以上の結果から,脱出ヘルニアが縮小および消失することが明らかとなり,またそのメカニズムはphagocyteによる消化吸収と考えられた.
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