Japanese
English
臨床経験
神経根内に脱出した腰椎椎間板ヘルニアの1例
Intraradicular Herniated Lumbar Disc : A Case Report
津田 英一
1,2
,
山内 正三
1
,
荒木 徳一
1
,
黒川 智子
1
,
三井 博正
1
Eiichi Tsuda
1,2
1青森市民病院整形外科
2弘前大学医学部脳神経疾患研究施設リハビリテーション部門
1Department of Orthopaedic Surgery, Aomori City Hospital
キーワード:
lumbar disc herniation
,
腰椎椎間板ヘルニア
,
intraradicular
,
神経根内
,
spinal nerve roots
,
脊髄神経根
Keyword:
lumbar disc herniation
,
腰椎椎間板ヘルニア
,
intraradicular
,
神経根内
,
spinal nerve roots
,
脊髄神経根
pp.661-664
発行日 1996年5月25日
Published Date 1996/5/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901914
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抄録:神経根内に脱出した腰椎椎間板ヘルニアの1例を経験した.症例は71歳,女性.左下肢痛を主訴として受診,左下肢の筋力低下と知覚鈍麻を認めた.MRIでL5/S1高位に左S1神経根に近接する腫瘤が認められた.腫瘤はT1強調画像にて等~高輝度を呈し,Gd-DTPAによるenhanced MRIでは腫瘤周囲に増強効果が認められた.遊離型ヘルニアの診断にて手術を行ったが硬膜外腔にヘルニアはなく,左S1神経根は腫大し腹側で硬膜が後縦靱帯と癒着していた.神経根部で硬膜を切開すると径3~5mmの腫瘤が数個出現し容易に摘出できた.病理組織診断は肉芽組織を伴った変性髄核組織であった.神経根内に脱出したヘルニアの報告はきわめて稀で,Barberáら(1984年)が報告して以来5例に過ぎない.髄核の突出によって生じた慢性炎症のため硬膜と後縦靱帯が脆弱化し,髄核がこれらを貫いて脱出したものと考えられた.
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