Japanese
English
臨床経験
大腿骨骨折を繰り返した成人型ビタミンD抵抗性骨軟化症の1例
A Case of Adult Onset Vitamine D Resistant Osteonmalacia with Recurrent Pathological Femoral Fractures
松山 敏勝
1
,
宮嶋 俊定
1
,
成田 寛志
2
,
山下 敏彦
2
,
長森 正史
1
,
坂本 直俊
1
,
石井 清一
1
Toshikatsu Matsuyama
1
1札幌医科大学整形外科
2札幌医科大学リハビリテーション部
1Department of Orthopaedic Surgery, Sapporo Medical University
キーワード:
ビタミンD抵抗性骨軟化症
,
vitamine D resistant osteomalacia
,
大腿骨骨折
,
fracture of the fenmur
Keyword:
ビタミンD抵抗性骨軟化症
,
vitamine D resistant osteomalacia
,
大腿骨骨折
,
fracture of the fenmur
pp.315-319
発行日 1994年3月25日
Published Date 1994/3/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901328
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抄録:72歳の女性.大腿骨骨折を繰り返して歩行が困難であったが,手術療法と1α OH VD3の大量療法で歩行が可能となった1症例を経験した.既往歴,家族歴には特記すべきことはなかった.1990年夏頃より腰背部痛を自覚して数カ所の病院で入退院を繰り返した.1991年12月12日当科を受診したが,X線像で高度の骨萎縮と骨改変層を認めた.また低リン血症と血清ALP高値を認めた.25 0H VD3は正常で,1,25(OH)2VD3は高値であった,PTH,カルシトニン,甲状腺機能は正常であった,入院中の1991年12月24日と1992年6月11日に,左大腿骨骨折を生じて手術を施行した.手術時の骨生検では著明な類骨の増加を認めて,成人型ビタミンD抵抗性骨軟化症と診断した.全身の腫瘍性病変は認めなかった.さらに1α OH VD3を4μg/日投与することで臨床症状と血清リン,ALP値が改善して,骨癒合が得られて独歩が可能となった.
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