Japanese
English
臨床経験
第3腰椎に発生した骨Paget病の1例
A Case Report of Paget's Disease of Bone in the Third Lumber
米津 浩
1
,
小川 維二
1
,
樋笠 靖
1
,
辻 伸太郎
1
,
矢野 敦子
2
Hiroshi Yonezu
1
1大樹会回生病院整形外科
2香川医科大学第一病理
1Department of Orthopedic Surgery, Taijukai Kaisei Hospital
キーワード:
骨Paget病
,
Paget's Disease of bone
,
象牙椎
,
ivory vertebral body
,
MRI
,
Magnetic Resonance Imaging
Keyword:
骨Paget病
,
Paget's Disease of bone
,
象牙椎
,
ivory vertebral body
,
MRI
,
Magnetic Resonance Imaging
pp.1285-1288
発行日 1993年11月25日
Published Date 1993/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408901247
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抄録:本邦においては稀な疾患とされている骨Paget病の1例を経験したので報告する.症例は89歳の女性で,主訴は腰痛である.第3腰椎棘突起に叩打痛を認めたが,他覚的神経症状はなかった.単純X線では第3腰椎の前後左右径の増大がみられ,全体的に硬化像を呈し,いわゆる象牙椎となっていた.MRIでは椎体から棘突起におよぶ信号強度の変化が認められた.しかし,椎体の高さは保たれており,隣接椎間板の変化もなかった.棘突起より採取した病理組織では,骨梁構造は不規則でモザイクパターンを示した.以上の結果より骨Paget病と診断し,calcitonin 10単位週2回筋注を開始したところ,3週目より自発痛の軽減がみられ,現在,腰痛は消失している.本疾患の病因としては遅発性ウイルス感染説が有力であるが,なお不明な点が多い.
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